アメリカの賃金の高さについて!!

 

”Waitressing is the number one occupation for female non-college graduates in this country. 

It’s the one job basically any woman can get, and make a living on.

The reason is because of tips.”

「ウェイトレスは高卒の女性が就く最も多い職業だ!

基本的にどんな女性だってウェイトレスになれるし、それで生活できるんだよ!

なぜならチップがあるからなんだよ!」

 

映画『レザボア・ドッグス』1992年,クエンティン・タランティーノ監督・脚本

 製作ミラマックス

上記セリフは長縄が翻訳したものです。
 

 

これはタランティーノ監督の出世作となった90年代の超名作映画『レザボア・ドッグス』で

冒頭のファミレスおしゃべりシーンの一幕です。

なかなかチップを払おうとしないスティーヴ・ブシェミに対して、ハーヴェイ・カイテルが

早くチップ払わんかいと迫るシーンですね。

 

『レザボア・ドッグス』のこのオープニングは本当に大好きで、何回も何回も観ました!

話の構成が見事だし、単なる男同士のおしゃべりを見事にショーとして見せる演出、話法、

なんともしびれます。

 

当時中学生だった僕は

 

「ウェイトレスはなかなかお金がもらいづらい仕事なんだなあ。。」

 

と子供ながらに思い知らされました。

 

さて本題に入ります。

 

 

 

 

 

先日2023年5月5日にアメリカの雇用統計が発表されました。

 

それによると米国の平均時給はなんと33.36ドル

 

1ドル134円で日本円に直すと約4,470円です(以下同レートで算出)。

 

アメリカの平均時給が約4,500円!!!!

 

日本の正社員の平均賃金の時給換算1,976円とのこと。

(令和2年版厚生労働白書より)

 

2倍以上違います!

 

ちなみにアメリカのウェイトレスの平均時給は米国労働省によると

 

15.87ドル! 日本円で2,126円です。

 

アメリカのウェイトレスは日本の正社員より貰っているの!?

 

 

 

 

前置きが長くなりましたが、今回はなぜ米国の賃金はこんなにも高いのかについて迫っていきます。

 

 

1.巨大IT企業の存在

 

まず全体的な平均賃金の押し上げとなっているアメリカIT関連企業の賃金の高さが影響しています。

 

アマゾン、グーグルなどGAFAMに代表されるIT企業の粗利率はとても高く社員ひとり当たりの生産性が非常に高いのです。

 

またこれらの企業は米国を中心とした世界にマーケットがあり売上の絶対数が高いです。

 

アマゾンの年間売り上げは約67兆円

 

そのため一人の社員に多くの賃金を分配しやすいというわけですね。

 

また賃金を高くしないと優秀な人材が集められない事情もあります。

 

実際、IT関連企業の多く集まるサンフランシスコの平均時給は41.63米ドル(日本円で5,578円)

 

 

 

 

 

2.物価の高さ

 

もともとの物価の違いもあります。

 

ビッグマック指数と言われるマクドナルドで販売されるビッグマックを世界各国で値段をもとに指数で比較したものがあります。

 

それによると

 

アメリカは5.15ドル(日本円で690円)、日本は3.35ドル(日本円で450円)になっています。

 

差額240円!!

 

またビッグマックでなくともレストランではだいたい1食13-15ドル程度

 

チップも含めたら20ドル程度。日本円で約2640円に。。

 

 

家賃も違います!

 

全米の月間平均家賃は1037ドル/月(日本円で13.8万/月)、日本は5.5万円/月とのこと。

 

 

 

もともと物価の違いもありますが、米国は物価上昇が進んでいる国でもあります。

 

日本の1980年から2023年まで43年間の平均インフレ上昇率は1.01%、アメリカ3.35%

 

物価上昇するに従って、賃金も高まるのも必然です。

 

 

 

 

3.労働者

 

アメリカの労働法によって立場上弱き労働者は守られています。

 

また労働組合の力を依然として強く、政治的な力もあります。

 

労働時間の制限や雇用条件の改善を常に活発に交渉する組合も多くあるようです。

 

そのためこれまでの平均賃金推移を見てみても、下落は余程ないようです。

 

 

 

 

まとめ

 

最近はコロナによって移民が制限され労働者の数が減って更に人件費を上げざるを得ない状況だったり、

 

コロナ禍において高齢者の早期引退が進み、これもまた人材不足を引き起こして人件費増につながっている背景もあるようです。

 

時に他国の事情をみてみるといろいろ勉強になりますね!

 

 

 

ご参考まで。

 

 

 

 

参考:

https://www.bls.gov/news.release/empsit.nr0.htm

 

https://www.mhlw.go.jp/content/000735866.pdf

 

https://www.bls.gov/oes/current/oes353031.htm

 

https://en.wikipedia.org/wiki/Personal_income_in_the_United_States

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/00038bbff0c6f565ae034476c2703708863da9dc

 

https://jp.reuters.com/article/usa-economy-rents-idJPKBN2QN09V

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